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『インディ・ジョーンズ / 最後の聖戦』感想

今まで見てきたシリーズ作品の中で一番好きだと断言できる。『魔宮の伝説』は確かに面白かったけど、全体に及ぶエンタメラッシュにちょっと疲れもするんよね。いやめちゃくちゃ面白いんだけども。だから面白くてかつバランスのいい『最後の聖戦』を推したい。何よりショーン・コネリーの演じるすっとぼけた食えない父親が最高で、ヘンリーというキャラクターに出会えたというだけでも特別な作品になった。そんなヘンリーとインディの掛け合いがとにかく愉快で、ハリソン・フォードショーン・コネリーも楽しく演じているのが分かる。このシリーズは冒険活劇としてももちろん優秀なんだけど、『最後の聖戦』はジョーンズ親子によるバディムービーとしての質も優れていたのが嬉しい誤算でした。ずっとニコニコしながら見てたもんな私。

親子が絡むところはどれもよかったけど、一番好きなシーンはブランワルド城で捕らえられた二人が炎に包まれた部屋から逃げようと四苦八苦するところかもしれない。合わないようで息の合う二人がひたすら可愛かった。回転する暖炉とかああいうギミックが好きなのもあり、テンポ良く繰り広げられるコミカルな展開が楽しすぎる。その前の、エルザがジョーンズ親子丼で楽しんでいたことが発覚するところもウヒャウヒャ笑った。インディは渋面になってたけど、毎回女に手を出してるんだからそういうこともあるじゃろ、としか思わなかったな。女好きなところは血ゆえなのか。

ラストの聖杯を巡るクライマックスも、ヘンリーが初めて「インディアナ」と呼ぶところも含めてぐっと来る。聖杯に魅入られて身を滅ぼしたエルザと、聖杯に魅入られていたように見えて冷静に息子を諭したヘンリーと、聖杯には興味がなかったはずなのにエルザと同じ状況になると魅入られそうになったインディの三者の違いもいい。

そしてこれまでのシリーズではインディに同行するのがヒロインだったり少年だったりしたけど、今回はヒロインとの冒険は中盤までで後半は先述の通り父親との珍道中になっており、更に進むとマーカスやサラーも加わっておっさん四人のパーティになるのがすんげえ楽しいんよね。マーカスはこれまでは冒頭とラストにちょっと出るくらいだったから出番が増えたのが嬉しいし、ヘンリーとマーカスが再会した時の二人のアホな挨拶はクッソ笑った。おっさんやおじいちゃんが可愛い映画だなこれ。おじいちゃんといえば残された騎士は恐らく死んだのだろうけど、聖杯を守るという長い呪縛から解き放たれたのだと思えばよかったのかなと思う。

アクションパートも楽しんだ。冒頭の列車アクションからワクワクさせられたし、やっぱり列車アクションのある映画は名作なんだよな。リバー・フェニックスの演じる若きインディからハリソン・フォードの演じる現在のインディに切り替わる、帽子を使った演出もたまらん。後半の騎乗したインディと戦車に乗るナチスとの攻防もインディが主人公らしく輝いてて楽しいのだけど、砲弾による音と衝撃が飛び交ってるのにちょっと怯えながらも走る馬も勇敢で格好良いんだなこれが。

ところで今回も『レイダース』同様ナチスが敵だったけど、『レイダース』ではヒトラーは出てこなかったのに今回はインディがヒトラー接触までしてるのがおかしくて笑った。この時のヒトラーがドノヴァンよりも印象に残ってしまった。